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センター英語(リスニング)の過去問はどの年度から解くべきか?【保存版】

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2019年度の情報を含めて加筆・修整しました。(2019年11月5日)

いよいよセンター対策で過去問を始めようというときに困るのは、どの問題をやればいいかよくわからないということ。

ただ単に順番に解いていけばいいのか?

古い順?それとも新しい順?

この記事では、そんな疑問にお答えして、おすすめの順番を考えていきたいと思います。

問題に関するネタバレはありませんので、まだ解いていない人も安心して読み進めてください。

今すぐ解く順番が知りたい人は、下の目次の『3. どの年度から解き始めるべきか』をクリックしてください。

センター英語(リスニング)の平均点推移を知ろう

センター試験のリスニングは2006年度に始まり、これまで14年間実施されてきています。

まず、各年度の平均点を見てみましょう。

と、その前に、次の2つのことを知っておいてください。

平均点は30点が真ん中

センター試験は平均点が6割になるように作られています。

平均点が6割のテストは、受験生一人一人の実力が正しく反映されるテストとされているからです。

リスニングは50点満点なので、6割は30点です。

この30点を基準として、平均点がそれより高ければ易しめ、低ければ難しめ、というのが基本的な数字の見方になります。

2016年度にマイナーチェンジ

もう一つは、2016年度から、第3問Bと第4問Aに少し形式変更があったということです。

特に第4問Aは、長い英文を聞いて3つの問いに答える形式に変わったことで、より集中力を求められるようになったため、難易度が若干上がったと考えていいでしょう。

以上のことを念頭に置きつつ、平均点の推移を見ていきましょう。

リスニングの平均点推移

年度 配点 平均点 得点率
2006 50 36.25 72.5%
2007 50 32.47 64.9%
2008 50 29.45 58.9%
2009 50 24.03 48.1%
2010 50 29.39 58.8%
2011 50 25.17 50.3%
2012 50 24.55 49.1%
2013 50 31.45 62.9%
2014 50 33.16 66.3%
2015 50 35.39 70.8%
2016 50 30.81 61.6%
2017 50 28.11 56.2%
2018 50 22.67 45.3%
2019 50 31.42 62.8%

※表中の赤字は最高値、青字は最低値です。

平均点推移からわかること

過去14年の中で、平均点の最低は22.67点(2018年度)、最高は36.25点(2006年度)です。

つまり、単純に考えると、最も難しいのが2018年度、最も易しいのが2006年度ということになります。

じゃあ古い順に解いていけばだんだん難しくなるかというと、表を見る限りそうでもありません。最新2019年度は30点を超えていますし、逆に10年以上前の2008年度は30点を下回っています。

じゃあ平均点の高い順に解いていけばいいか?

たしかに、高校や塾などでそのようにさせる教員の方もいます。

しかし、教える側としては、もう少し厳密に英語の難易度を決定する要因は何かを考えるべきでしょう。

そうすれば、受験生にとっても何ができれば得点につながるかが明確になり、問題を解くたびにレベルアップを実感できるようになります。

では、リスニングの難易度を決定する要因は何でしょうか。

単語数と平均点の関係性

リスニングの試験ですから、普通に考えて、聞き取らなければならない量が増えると難易度が上がりそうですよね。

実際のところはどうなのでしょうか。

読み上げ語数(ネイティヴ・スピーカーが読む単語の数)の推移を見てみましょう。

読み上げ語数と平均点の比較対照表

年度 読み上げ語数 平均点
2006 1,019 36.25
2007 1,010 32.47
2008 1,085 29.45
2009 1,110 24.03
2010 1,088 29.39
2011 1,167 25.17
2012 1,165 24.55
2013 1,136 31.45
2014 1,139 33.16
2015 1,123 35.39
2016 1,129 30.81
2017 1,145 28.11
2018 1,144 22.67
2019 1,165 31.42
平均 1,116 29.59

赤字は平均以上、青字は平均未満を示します。

読み上げ語数が多いと平均点が下がる?

赤と青で色分けをすると、以下の4パターンに分類できます。

  • ×:読み上げ語数が少なく平均点が低い
  • ×:読み上げ語数が少なく平均点が高い
  • ×:読み上げ語数が多く、平均点が低い
  • ×:読み上げ語数が多く、平均点が高い

読み上げ語数と平均点の相関関係が強ければ強いほど、×または×の組み合わせが多くなるのですが、なんと、実に半分を超える年度で相関関係がないことが示されています。

ということは、「聞き取る量が多いと難しい(=聞き取る量が少ないと易しい)」とは言い切れないということです。

それでは、他にリスニングの難易度を決めるような指標は何かあるのでしょうか?

実は、興味深いデータがあるのです。

印刷語数と平均点の比較対照表

年度 印刷語数 平均点
2006 423 36.25
2007 525 32.47
2008 563 29.45
2009 545 24.03
2010 557 29.39
2011 602 25.17
2012 520 24.55
2013 503 31.45
2014 503 33.16
2015 462 35.39
2016 576 30.81
2017 502 28.11
2018 575 22.67
2019 645 31.42
平均 536 29.59

赤字は平均以上、青字は平均未満を示します。

印刷語数と平均点には強い相関関係があった!

印刷語数とは、文字通り問題冊子に印刷されている単語数のことであり、基本的に設問と選択肢の語数のことです(第3問Bの図表の語数も含みます)。

上の表はこの印刷語数と平均点を並べたものですが、どうでしょう?がかなりきれいに組み合わさっていると思いませんか?

それもそのはず、×または×の組み合わせは10/14です。確率にして71.4%が相関関係にあるということを示しています。

リスニングは、実は聞き取るだけでは正解できません。

どんなに正確に聞き取れたとしても、選択肢を正しく選べないと正解にはならないからです。

読解問題でも同じですよね。本文を正しく読み取れても、選択肢を読み間違えたら正解はできません。

というわけで、リスニングの難易度を決めるのは、聞き取る量ではなく読み取る量だということが分かりましたね。

印刷語数と平均点の関係性を分類

赤と青で色分けをすると、以下の4パターンに分類できます。

  • ×:印刷語数が少なく平均点が低い
  • ×:印刷語数が少なく平均点が高い
  • ×:印刷語数が多く、平均点が低い
  • ×:印刷語数が多く、平均点が高い

パターンごとに見ていきます。

1. ×:印刷語数が少なく平均点が低い

2012年度と2017年度が該当します。

設問と選択肢は少ないながら、聞き取りの質と量の負担がやや大きめです。

最も耳の力を必要とするパターンと捉えてもよいでしょう。難易度はやや高めと言えます。

※設問や選択肢が短いから読み取りやすい、とも限りませんので、一概には言えない部分もあります。

2. ×:印刷語数が少なく平均点が高い

2006~2007年度と2013~2015年度が該当します。

設問・選択肢が少なめで聞き取りに集中しやすく、聞き取る量や速さも適当な範囲に収まっていると言えるパターンです。

特に2006~2007年度は聞き取る量も少なく、難易度は最も低いと考えてよいでしょう。

3. ×:印刷語数が多く平均点が低い

2008~2011年度と2018年度が該当します。

設問・選択肢が多いため、先読みの負担が大きいです。

これに聞き取りの量と速さが加わることで、難易度が急上昇し、平均点が急降下するというわけです。

言うまでもなく、センター試験形式で最も難易度の高いパターンです。

4. ×:印刷語数が多く平均点が高い

2016年度と2019年度が該当します。

設問・選択肢の語数が増えると難易度が上がることを見越し、聞き取りの側でバランス調整を施された問題です。

聞く力と同じかそれ以上に読む力も大事になるパターンと言えますが、大半の受験生がそのように勉強してきているはずですから、比較的取り組みやすい問題ではないかと思います。

難易度は易しすぎず難しすぎず、といったところでしょうか。

どの年度から解き始めるべきか

以上の通り、印刷語数と平均点との関係から各年度の性質がおおまかに分かりました。

これに従うと次のような表ができます。

難易度 該当する年度
とても易しい 2006、2007
易しい 2013、2014、2015
普通 2016、2019
やや難しい 2012、2017
難しい 2008、2009、2010、2011、2018

自分の実力と相談して、好きな難易度の年度から始めると良いでしょう。

自分の実力がよく分からないという人(高校1~2年生など)は、とりあえず「とても易しい」2006~2007年度を解いてみるといいと思います。

時間がない人は、2016年度以降の新形式問題だけでもやっておくと良いでしょう。

追試は解くべきか

解説や和訳がもらえる、あるいは自分で解決できる人は解いてもいいと思います。

※今月中にこのサイトで掲載すべく準備を進めていますので、ぜひ解きたいという人は、申し訳ありませんがもう少しお待ちください。

というのも、現状、市販の過去問集ではどこの出版社もリスニングの追試は扱っていないため、誰でも和訳や解説を手に入れられるわけではありません。

その上、追試験は受験者が少ないため平均点が公表されておらず(されても母数の関係上有効とは言えない)、客観的に難易度を測ることができません。

それよりも、センター英語の問題集は何がいいの?一番のおすすめを紹介します!で紹介している、駿台や東進の模試過去問集のほうが役に立つはずですので、解く量を増やす場合はそれらを利用しましょう。

センターリスニング対策まとめ

先読みができるだけの速読力がカギ

もちろん、リスニング対策として、たくさんの英語を聞くのは大いに結構なことです。ほとんど聞き取れないようでは、選択肢だけ読めても正解できるわけがないですからね。

しかし、上で述べてきた通り、聞き取れても選択肢が選べず間違える人が多いのです。

これはそもそも、多くの人が「先読み」ができていないということを示す証拠でもあります。

センター試験では、リスニングの試験開始後は、問題冊子のどのページを開いてもいいことになっています。

これはとても重要なことです。

人は母国語でさえ、聞き取りと読み取りを同時に行うことは難しいのです。

ましてや日常的に見聞きしていない外国語となれば、これはもう不可能と断言してもいいくらいですから、絶対に耳と目を同時に使わない、という意識を持って問題に臨まないといけません。

だからこそ、設問と選択肢にはできるだけ先に目を通しておき、後からわかりやすいようにアンダーラインや記号などの簡単な書き込みをしておくように、と学校や塾の先生などから指示されているはずです。

おそらく、多くの受験生がそうしようとはしているはずです。しかし、それでも多くの受験生が間に合わないということを、上の表は示しています。

先読みは、各大問の説明や、問題と問題の合間など、少ない空白時間で行わないといけないわけですから、どうしても一定以上の速さが求められます。

これを疎かにして、リスニングだからたくさん聞いて耳の力をつけよう、という短絡的な対策しかできていないようであれば、今すぐ選択肢先読みの練習を始めてください。

選択肢を十分に見ないまま音声が始まることがなくなるまで、たくさんの問題を解いて鍛えてください。

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